予備校の中の奇妙な面々


こんばんは。お元気ですか。皆さんの大学生活も既に半分を過ぎました。そろそろ勝ち/負けの二項対立の旗色が鮮明になってくる頃でしょう。私の通う予備校内部でもそれは現れています。裏切られた希望、挫折させられた目論見、それと気付いた時にはもう遅すぎる過ちを通奏低音として、あるものはひきこもり、あるものはスノビズムに陥り、そしてあるものは発狂するなどして日々をやり過ごしているようです。まさしくDEAD or DIE?という奴です。今日はそんなカラカンダ第一収容所の如き様相を日記に書き記し、暇をつぶそうという魂胆であります。ちなみにこの暇は勉強をしないことによって捻出されています。


私が3階のラウンジで古文を勉強している時でした。それまで私の隣でベラベラ喋っていたウ○コのような色の髪をした男子が一名、自販機で飲み物を買おうとして、その時何かに気付きました。「おい、パンがぶら下がってるぜ」見るとパンの自販機の中に一つ、今にも落ちそうな様子の商品があります。

自販機のイメージ

ホントだ、金具かなんかに引っかかってるみたいだなーと思っていたところ、突然そのウ○コ色が下から手を突っ込み始めました。が、引っかかっている位置が高く、取れません。ウ○コは仲間を呼び出し更なる行動を開始します。


「もう少しで取れそうなんだよね」
「マジ?ほんとだ」
「どーやりゃいけんだろ」
「ペットボトルで当てて落とせばよくね?」
「お前ちょー頭良いな」

どこからともなくペットボトルを取り出し、取り出し口にねじ込みました。下から突き上げる要領で上へ飛ばし、パンに当てようとしているようです。

「マジあたんねーんだけど」

ウ○コのペットボトルはあらぬ方向へ飛んでしまいます。見かねたもう一人のウ○コが言いました。

「ちょっと俺に貸してみ」

すると今度はうまい具合にあたり始めます。

「お前すげーな」
「マジお前才能無いから(笑)」

どうやらこちらのウ○コにはペットボトルを突き上げてパンに当てる才能が無いようです。

「こっちをな、こーして当てんだよ」(実践しながら)
「へぇー、なるほどねー」
「お前やってみ」

再開します。それにしてもうるさい。一回やるたびにパコンパコン大きな音がします。それを延々聞かされている構図です。もう始めてから10分以上は経ってます。


「つーかマジ死にそうなくらい腕つりそうなんだけど(笑)」

当方としてはそのままお隠れあそばされ申し上げて欲しい気持ちでいっぱいです。


「買えよwww」
「金もったいねーだろwwww」

一体何故たかが120円の金がもったいなくて自分をウ○コにトランスフォームさせる代金がもったいなくないのでしょうか。


「つーか、つりそうならやめりゃあいいじゃん(笑)」
「いや、パン食いたいし(笑)」

おお、神よ、彼らにパンを正規に購入する120円のお恵みを与えたまへ!


「つーか、いい加減やめろwww」
「ここで諦めたら男じゃないだろwww」


結局ウ○コが男でなくなったのはそれから30分くらい経った後でした。


さて、こんなくだらない事が思いのほか文字数を消費してしまったことについていささかの絶望感を感じざるをえませんが、それはともかくこのラウンジは実は他にも色々な人々がいて、大声でSEXについて論じ合ってみたり、浪人生のくせにリーマンのせいで俺の株がヤバイなどと語ってみたり、突然逆立ちしてみたり、とんでもないことになっています。特に逆立ち男は酷かった。その時僕は世界史を勉強していたのですが、壁に向かって何回も逆立ちし、それに飽きると逆立ちで廊下を歩こうとしてみたりしていました。うるさいのなんの。世界史がなかなか覚えられないこともあいまってイライラしてきます。しまいには「俺マジ逆立ち上手くね?(笑)」などと供述しだす始末。うるさいのなんの。もしここが19世紀のイギリスであったなら、その口いっぱいにインド製綿布を三角貿易してやる所です。ちなみにその男子も髪の毛の色はウ○コ色でした。頭の中まで同じ色の物体がつまっているに違いありません。


かといって、授業中も安心は出来ません。ここにも様々なトラップが仕掛けられています。私のクラスに一人とんでもない巨漢の方がいらっしゃいます。以前書きました「ドラゴン・ノーズ・ブレス」の彼です。よく想像できない方に若干の比喩での説明を加えますと、ホンジャマカというコンビに一人巨漢の方がいらっしゃいますね?彼を横に1.3倍してください。OKですか?まあ別にそういう体型をしている事を批判したいんじゃありません。私も人のことは言えません。ただ、なんというか、その、こう、スメル的なものが。え!?みたいな。汗臭さを基調として海原雄山でも表現しきれないような微妙な何かが、こう、ね。気付いてないのかな。もしここが1995年3月の丸の内線だったら、オウムの犯行と見なされて自衛隊がすっ飛んでくるくらいのニオイはあると思うんだけど。うーん。しかも同様のニオイを発する人が他にも何人かいて、なかなか厳しい。


授業そのものにも罠は潜んでいます。それぞれの授業は確かにわかりやすかったり、わかりづらかったり、爆睡していてそもそも判定が不可能だったりしますが、ありとあらゆる(わかりにくい)授業の頂点に立つ授業が一つあります。現代文です。何故一番酷いのかというと、全体的な授業の酷さ(答えをはっきりさせるまでに15分くらいかかる、後付けの説明を多発する、延長は当たり前なのに問題の全てを解説しない)は言うに及ばず、聞いている最中はまともな説明でも、後から思い返すと絶望的になるくらい解りづらい説明をする人だからです。ここまで来ると奇跡です。その他にも慣用句の語源の説明を間違えていたり、事あるごとに恩着せがましい説教をたれるので私は授業のたびにゲンナリするのですが、なお恐るべきことに、その人は我が予備校の現代文講師のトップだそうです。日本の学力低下を老人どもに嘆かれるのもむべなるかな。まあでもなんか我々の合格を心から願っていてくれているらしい(そしてそう言った次に必ず特別講習中の自分の授業を取るように要請する)ので、彼と同じく解りづらいことで有名なギリシャの哲人ヘラクレイトスのような素晴らしい死に方をしてくれるように私も願うことにします。(死因:牛糞にまみれて病死)


如何でしたか。大学に入った皆さんも大体同じような生活を送っていると思いますので、お互い頑張りましょう。最後に、書き始めの予想を大幅に超える分量の排泄物の描写をしてしまった事を深くお詫びします。ごめん。でもしょうがなかったんだよ。実際そうだし。ではおやすみなさい。